市役所裏事情

私の配属先はボリビアのラパス市役所の、スポーツ振興課である。職場のことについて、先日去年まで同じオフィスに勤めていた知り合いと話をしていた。話していて気になることがありすぎた。市役所に限らずどこの職場でも、上司の好みや権威によって部下が辞めさせられたり圧力かけられて大変だったりする。特にボリビアはコネ社会なので、人のつながりで仕事がうまくいったりいかなかったりする。何も縁のない部外者がいきなり知ってる人が誰もいない部署に雇われたりすることはまず無いらしい。そんな職場では、時にドロドロした裏側が垣間見える時がある。

 

約4ヶ月前、職場の同僚のOさんが、大怪我をした。イベントの片付けで大きなステージ台をトラックから下ろす際にコードに絡まって、ステージ台が彼の上に落ちたという。腰を骨折して全治6ヵ月。歩けるようになるまで仕事を3ヵ月休んだ。しかも彼は、体育教師の免許を持ってスポーツ課で働いていたが、彼の足はもう元には戻らず、生涯常に杖を使って歩かないといけなくなってしまった。今後スポーツ指導をすることもかなり難しい。スポーツ課ではその時期毎週週末にイベントをやっていて、マラソン大会やサッカー大会、エアロビのコンクール、市民向けの歩行者天国など週末は職員が駆り出され、ほぼ休みも無い状態だった。

怪我した彼はいつもイベントで重要な役割を担っていて、企画から当日は司会などをしていつも中心になって働いていた。

だから今回の事故はオフィスに大きな影響を与えた。

 

 

去年までオフィスに勤めていた知り合いの話によると、仕事中に起こったその事故の賠償に、市が、彼を生涯にわたって市役所職員として雇用することを提案したらしい。(ボリビアでは課長次長とデイレクトーラの秘書以外はほぼ1年契約で、ずっと働ける保証が無い。毎年年末年始にオフィスに残れるか残れないかが決まる。)確かに市がそれくらいしてくれなきゃ怪我した本人はかなりきついだろうな、でも、そういう提案があるなら良かった。と思った。

ところが。

 

うちのスポーツ課の課長が、その提案を蹴ったというのだ。

理由は、

課長は自分のやり方が同僚たちによく思われていないのを知っていて、(イベントのための休日出勤は当たり前、かなり傲慢で同僚へのあたりがきつい、人の扱いが荒い等々)もし

怪我した彼がずっと市役所に残るとしたら、次回市役所の役員を決める選挙?(来年行われる)で人事異動があった際、きつい経験をした市役所に残る者が今の課長を再びは選ばないだろうから課長の立場も危うくなるとのこと。

それで、終身雇用の話もチャラになったらしい。

 

凄い話だな💦

 

 

そのスポーツ課の、課長、ディレクトーラは、配属前から、『カウンターパートは強烈な人だよ、かなりやる気のある、バリバリやってる人だから、がんばってね』と、聞かされていた。実際配属先に就いて、オフィス同僚たちの振る舞いを見ていると、ディレクトーラはどうも、斬新なものが好きで、四六時中色んな所を仕事で飛び回っていて、とにかく強くて、誰一人逆らえない上司、というような印象だった。配属が決まったとき、当時の調整員さんに『自分は365日24時間働いていないと死んでしまう』と言っていたらしい。そして私が配属された後、オフィスを見に来た調整員は、『嵐のような職場だ』と言い残し、ディレクトーラのことは、『バブル時代の編集長みたいだ』と、コメントしていった。

 

強烈で、刺激があるのは良いし、

私はボランティアという立場で外国人なのでそんなにひどい扱いは受けたことなく、むしろいつも親切にしてくれてる方だと思うけど、同僚の話を聞くと、えげつないなーと感じる。

 

職場により事情は違えども、

本当に色々あるなー

年末年始には、誰が残った誰が消えた、

契約きれたのにあいつは無理やり居座ろうとしてる、等々同僚同士の噂も広まるし

闇は意外と深いみたいだ